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屋外タンク貯蔵所ー内部点検ー

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屋外タンク貯蔵所-内部点検-

一般的なタンクの内部点検項目についての忘備録です

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屋外タンク貯蔵所の開放検査、内部点検などの検査項目は危規則第62条にて規定されています

・内部点検

危険物の規制に関する規則(危規則)第62条の5において、容量が千キロリットル以上1万キロリットル未満の特定屋外タンクの貯蔵所の所有者等は内部点検を行わなければならないとされていています。内部点検は、定期保安検査と同様に、新法、新基準(第2段階基準)、第1段階基準となどのタンクの構造上の安全レベルに定められた基本開放周期毎にタンクを開放し底部の板の厚さ及び溶接部が技術上の基準に従って維持されているかどうか屋外タンク所有者等が自ら点検を行うものです。

【参照法令】

危規則第62条の5

平成12年自治省令第11号附則

危規則第六十二条の五 

引火点を有する液体の危険物を貯蔵し、又は取り扱う屋外タンク貯蔵所(岩盤タンクに係る屋外タンク貯蔵所及び海上タンクに係る屋外タンク貯蔵所を除く。)で容量が千キロリットル以上一万キロリットル未満のものに係る定期点検は、前条の規定によるほか、令第八条第三項 の完成検査済証(法第十一条第一項 前段の規定による設置の許可に係るものに限る。)の交付を受けた日若しくは直近において当該屋外貯蔵タンクの内部を点検(以下「内部点検」という。)した日又は法第十四条の三第二項 の保安に関する検査を受けた日から十三年(当該屋外貯蔵タンクに第六十二条の二の二第一項第一号及び第二号に規定する保安のための措置が講じられており、あらかじめ、その旨を市町村長等に届け出た場合には十五年)を超えない日までの間に一回以上当該屋外貯蔵タンクの内部点検を行わなければならない。ただし、当該期間内に内部点検を行うことが困難な場合において、その旨を市町村長等に届け出たときは、二年に限り、当該期間を延長することができる。

2  前項括弧書に規定する届出は、別記様式第三十三又は別記様式第三十四の届出書によつて行わなければならない。

3  第一項の規定にかかわらず、同項に規定する屋外タンク貯蔵所について同項に規定する期間内に第六十二条の二第一項第三号に掲げる事由が生じ、市町村長等が保安上支障がないと認める場合には、当該屋外タンク貯蔵所の所有者、管理者又は占有者の申請に基づき、当該期間を市町村長等が定める期間延長することができる。

  前項の申請は、別記様式第三十五の申請書に理由書その他の参考となるべき事項を記載した書類を添えて行わなければならない。

 

自治省令第11号

消防法(昭和2年法律第186号)第14条の3の2の規定に基づき、及び同法を実施するため、危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令を次のように定める。

平成12年3月21日

自治大臣 保利 耕輔

 

危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令

危険物の規制に関する規則(昭和34年総理府令第55号)の一部を次のように改正する。

〔「次のよう」省略〕

附則

1 この省令は、平成12年10月1日から施行する。ただし、第62条の5の改正規定及び第62条の8の次に3号を加える改正規定(同条第1号に係る部分に限る。)については、公布の日から施行する。

2 危険物の規制に関する政令及び消防法施行令の一部を改正する政令(昭和52年政令第10号。以下「52年政令」という。)の施行の際、現に消防法第11条第1項前段の規定による設置に係る許可を受け、又は当該許可の申請がされていた特定屋外タンク貯蔵所のうち、この省令の施行の際現にその構造及び設備が危険物の規制に関する政令第11条第1項第3号の2及び第4号に定める技術上の基準に適合しないもの(以下「旧基準の特定屋外タンク貯蔵所」という。)で、52年政令附則第3項各号に掲げる基準の全てに適合するもの(以下「新基準の特定屋外タンク貯蔵所」という。)についての、この省令による改正後の危険物の規制に関する規則(以下「新規則」という。)第62条の5第1項の規定の適用については、同条中「13年」とあるのは、「12年」と、「(当該屋外貯蔵タンクに第62条の2の2第1項第1号及び第2号に規定する保安のための措置が講じられており、あらかじめ、その旨を市町村長等に届け出た場合には15年)」とあるのは、「(当該屋外貯蔵タンクに第62条の2の2第1項第1号に規定する保安のための措置が講じられており、あらかじめ、その旨を市町村長等に届け出た場合(以下附則第3項において「1号措置」という。)にあつては15年、第62条の2の2第1項第2号に規定する保安のための措置が講じられており、あらかじめ、その旨を市町村長等に届け出た場合(以下附則第3項において「2号措置」という。)にあつては14年、第62条の2の2第1項第1号(イを除く。)に規定する保安のための措置及び特定屋外貯蔵タンクの内部の腐食を防止するためのコーティング(エポキシ系塗装又はタールエポキシ系塗装に限る。)が講じられており、あらかじめ、その旨を市町村長等に届け出た場合(以下附則第3項において「特例措置」という。)にあつては13年)」と読み替えるものとする。

3 新基準の特定屋外タンク貯蔵所についての新規則第62条の8第1号の規定の適用については、同条第1号中「26年間」とあるのは、「24年間」と、「(同項括弧書の期間の適用を受けた場合にあつては30年間)」とあるのは、「(同項括弧書の期間の適用を受けた場合にあつては、1号措置にあつては30年間、2号措置にあつては28年間、特例措置にあつては26年間)」と読み替えるものとする。

4 旧基準の特定屋外タンク貯蔵所のうち、52年政令附則第3項各号に掲げる基準に適合しないものについての、新規則第62条の5及び第62条の8第1号の規定の適用については、なお従前の例による。

 

検査すべき項目

内部検査及び保安検査にて検査すべき項目として、底部の厚さに関するものと溶接に関するものが定めれれています。

 

底部の厚さに関する事項

・板厚測定方法

  • 定点測定

昭和52年消防危第56号にて示されているが、現在の主流は昭和54年消防危第169号通知で示された箇所。

  • 連続測定

底部全面を30㎜以下の間隔で測定する方法

定点測定の通知別板厚測定箇所
部位 昭和52年消防危第56号通知 昭和54年消防危第169号通知
底板 ・板1枚当たり3点以上

・概ね1mの間隔

アニュラ板 ・側板内側から0.5mの範囲を2m以下の千鳥

 

 

 

 

・側板内面より500㎜の範囲を概ね100㎜の間隔で千鳥

・内面腐食の見られる箇所

・その他の部位を概ね1mの間隔

その他 ・アース・ドレン部分を概ね0.3mの間隔

・腐食の認められる箇所

 

・アース・ドレン部分を概ね100㎜の間隔

・設計板厚の90%以下の値が測定された箇所については当該箇所を中心にして半径300㎜の範囲を概ね30㎜の間隔にて測定

 

・板厚基準

タンク底部の板厚の基準はタンクに適用される基準や測定方法、また各市町村長によって異なる場合がありますので注意が必要です。

 

危険物保安技術協会による基準
区分 部位 法令上の基準 補修要件
定点測定 連続測定
新法 アニュラ板及び

アニュラ板相当部底板

・危告示第4条の17の最少厚さ以上

・危告示第79条の保有水平耐力を満足する厚さ以上

平成11年消防危

第58号通知

平成14年消防危第17号通知により改正された平成12年消防危第93号通知
底板 ・危告示第4条の18の最少厚さ以上
新基準 アニュラ板相当部底板 ・3.2㎜以上

・危告示第79条の保有水平耐力を満足する厚さ以上

平成26年消防危

第146号通知

底板 ・3.2㎜以上

溶接部に関する事項

・試験方法

タンク底部の溶接部の試験は下記方法にて試験されます。

  • 磁粉探傷試験

タンクの底部溶接部検査では一般的に極間法・蛍光湿式磁粉(分散媒:水)が適用されます。場合によりその他の方法が適用される

  • 浸透探傷試験

危規則第20条の8にて磁粉探傷試験によることが困難な場合、また磁粉探傷試験の結果、磁粉模様の長さがその幅の3倍未満のものについては浸透探傷試験により指示模様の確認を行うとされています。

・試験実施箇所

施行範囲は昭和52年消防危第56号通知に示されているが、近年では底部溶接線全線を試験する事業所が大半です。

・試験基準

危険側第20条の8による基準を満足する必要がある。

  • 磁粉探傷試験

・割れのないものである。

・アンダーカットはアニュラ板×底板及び底板×底板の溶接継手については0.4㎜以下その他の溶接継手についてはないものであること

・磁粉模様は長さが4㎜以下であること。2以上の磁粉模様がほぼ同一線上に2㎜以下の間隔で存在する場合当該磁粉模様の長さと当該間隔の合計の長さとする。ただし相隣接する磁粉模様のいずれかが長さ2㎜以下のものであって当該磁粉模様の長さ以上の間隔で存在するものを除く

・磁粉模様が25㎠の長方形(一辺の長さ15cmを限度)の部分に長さ1㎜を超える磁粉模様の長さの合計が8㎜以下であること。

  • 浸透探傷試験

・割れがないものである。

・指示模様は長さが4㎜以下であること。2以上の支持模様がほぼ同一線上に2㎜以下の間隔で存在する場合当該指示模様の長さと当該間隔の合計の長さとする。ただし相隣接する指示模様のいずれかが長さ2㎜以下のものであって当該指示模様の長さ以上の間隔で存在するものを除く

・指示模様が25㎠の長方形(一辺の長さ15cmを限度)の部分に長さ1㎜を超える指示模様の長さの合計が8㎜以下であること

 

概ね危規則では以上といったところでしょうか

その他の詳細については各市町村長による指針が纏められ公表されています。

 

代表的な特定屋外タンク貯蔵所の内部点検項目

目視検査

アニュラ板、底板及び側板最下段の内外面の孔食、治具跡などの表面キズ並びに溶接形状の検査。

溶接部検査

アニュラ板、底板などのタンク底板溶接線の全線及び、側板最下段の内面継手部下部の概ね300㎜の溶接線について磁粉探傷試験を実施すること。磁粉探傷試験の困難な場所については浸透探傷試験にて代替できる。

板厚測定検査

・側板

  • 最下段

・アニュラ板(若しくは底板)×側板溶接線の側板側し端部より上方へ300㎜の範囲に於いて、鉛直方向に100㎜間隔、水平方向に概ね2mの間隔の個所を測定。

・腐食の認められる箇所

  • 最下段以外の段

・各段3箇所以上の測定

・腐食の認められる箇所

  • 実板厚の測定

・各段最小値の箇所を中心に半径300㎜の範囲を30㎜の間隔で測定しその測定値の平均値を各段の実板厚とする。

・アニュラ板及びアニュラ板相当部

  • 側板より1000㎜の範囲

・側板内面側へ500㎜の範囲を概ね100㎜間隔で千鳥にとった箇所を測定し、その全体の値と板一枚毎の平均値を算出する。

  • アース設置箇所及び水抜き付近は概ね500㎜の範囲を100㎜の間隔で格子状にとった箇所

・底板及びアニュラ板の上記以外の箇所

  • 概ね1m間隔でとった箇所。ただし、板1枚につき3点以上測定。

・詳細測定

アニュラ板及び底板で設計値(新法タンクに於いては「危険物告示第4条の17の規定する最少厚さ」)の90%以下の値の箇所を中心に半径300㎜範囲内で概ね30㎜の間隔で板厚を測定し、その平均値「測定板厚平均値」を求める

・コーティング上からタンクの底部の板厚を測定する場合

  • 昭和63年5月27日消防危第72号による。測定者はタンク底部板厚測定講習会受講終了者とする。

・超音波探傷法による連続板厚測定を用いタンク底部板厚を測定する場合

  • 測定方法は平成15年3月28日消防危第27号による。測定者はタンク底部板厚測定講習会受講終了者とする。 

     

     

    その他の計測等

    底部形状測定(昭和52年3月30日消防危56号第4の4(2))

    ・タンク底板に水を張る方法及びピアノ線を張る方法等により行う

    • 側板直近の円周上に円の中心に対称となる点を約10mの等間隔でとった点(4点未満では4点)とタンクの設置位置中心から半径5mを増すごとの同心円(2未満の場合2)と円を中心に対称となる点を結んだ線の交点を標準箇所とし、50㎜ピッチの等高線図を作成する。

    角度測定

    ・タンクの内面より側板と底板のなす角度を角度測定器等で2mピッチで測定する

    隅肉脚長測定

    ・タンクの内外面について2mピッチで測定する

    不等沈下の測定

    ・タンクの円の中心に対し対象となる3~5mの等間隔でとった点をレベル計等で測定する。

    コーティングの記録

    ・コーティングの材質、厚さ及び状態を記録する(割れ、剥離、膨れ、キズ、異物の混入、塗もれ等)

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